読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

yukiyanagi’s blog

ほとけにハッとしてグゥの音も出ず

ボスキャラ

禅宗の専門僧堂にて「接心」に初めて参加したときのこと。
斎座(昼食)にトマトが出ました。

うぉう。。。

子どもの頃から何度もトライしてみては撃沈せざるをえなかった
永遠のボスキャラ。よりによってこのタイミングでのご登場とは。。。

ここは禅寺。出してくださったものを残すことは一切できぬ。
食事の前に唱える「五観の偈」もうわの空。
合掌越しにボスキャラがチラチラ見えます。

絶体絶命のピンチ。

がしかし、こたえはとっくに出ている。

食すしかない。

ちょっとずつ食べるとツラさ倍増かもと判断し、
一気にボスキャラを頬張りました。

うっげーーーーー!!
まっずーーーーーーーーー・・・・

・・・・くない。

むしろ、おいしくね・・・・?

トマト・・・おいしいんじゃん!!

さっきまでボスキャラ呼ばわりしていた自分はどこへやら。
トマトのあまりの美味しさに「テンションだだ上がり」。

この感動を隣席の禅友さんにシェアしたくなりましたが、
ここは禅寺。食事中は私語厳禁。
だだ上がりのテンションをぐっとこらえたまま、
トマトの滋味を静かに堪能するしかなかったのでした。

その日以来、トマトはボスキャラではなくなり、
もりもり食べられるようになりました。
これもきっと、仏の御加護なのかもしれません。違うかもしれません。

「禅寺へ行って、よかったことは?」と訊かれたら、
それこそたくさんの「よきこと」が思い浮かぶのですが、

「トマトを食べられるようになったこと」だけは
なんだか憚られるというか、問いかけのテイストを壊しそうな気がして、
我が胸の奥に秘めている次第。

たかがトマト、されどトマト。
人生、一寸先はわからんものです。